【ペットボトル??アルミ缶??】飲料容器環境に優しいのは?

環境問題

無印良品さんによく行かれる方は、こんなお水を見たことがあるのではないのでしょうか?

ここ最近、無印さんのように環境を配慮して飲料の容器をペットボトルからアルミ缶に変更しているお店が増えています

この記事では、ペットボトルからアルミ缶にすると本当に環境に良いのかを深堀していきます。

アルミ缶

無印良品さんHPより

 

清涼飲料の容器シェア

全国清涼飲料連合会によると、清涼飲料の容器はPETボトルと缶で約87%を占めています。

つまり飲み物を買う時の環境負荷を考える際にはこの二つに注目することが大切ということです。

それでは容器ごとに環境負荷がどのように異なるのかを見ていきましょう。

各飲料容器の環境負荷

LCAに基づいた環境影響評価

環境省請負調査平成16年度容器包装ライフ・サイクル・アセスメントに係る調査事業 報告書より作成

こちらの図はライフサイクルアセスメント(LCA)に基づいた各飲料容器のCO2排出量です。

LCAとは原料調達から廃棄までの一連のプロセスで及ぼす環境負荷を評価する手法

こちらの図を見ると紙パックが最もCO2排出量が少なく、使い捨てビンが最も排出量が多いことが分かります。
ペットボトルとアルミ缶はというと、意外にもほぼ同じだけの排出量です

現在は回収率が改善されているためこの通りではありませんが、この報告書に基づけばCO2ベースでのペットボトルとアルミ缶の環境負荷は同程度ということになります。

こちらのデータは平成16年と少し古く、回収率はペットボトルで61%、アルミ缶で81.8%となっており、グラフの値はリサイクル考慮済みのものです。(最新の値はペットボトル96.7%、アルミ缶94.0%)

 

アルミ缶の方が環境に優しいといわれるわけ

大事なのはリサイクルの質!

ではなぜ無印さんのようにペットボトルを廃止してアルミ缶に切り替える企業が増えているのでしょうか?

答えはリサイクルの質にあります。

先の述べたようにアルミ缶とペットボトルの回収率は同程度になっていますが、回収後どのようにリサイクルされるのかが大きく異なります

回収されたアルミ缶のうち、再びアルミ缶になるもの(can to canといいます)は71%(2020年度アルミ缶リサイクル協会より)。

それに対しペットボトルで再びペットボトルになるもの(bottle to bottle)は12.5%(2019年度全国清涼飲料連合会より)。

つまり、アルミ缶が回収後再びアルミ缶として使われるのに対し、ペットボトルは大部分が衣服やプラスチック製品になっているということです。

清涼飲料業界は2030年までにボトルtoボトル比率を50%とすると宣言しています

ペットボトルは結果的に焼却される

回収したペットボトルが新しい製品になってるならいいじゃん!と思おうかもしれませんが、廃プラスチックの約60%はサーマルリサイクルされ、燃焼されてしまいます。

つまり回収されたペットボトルの大部分は別の製品となり、その製品がごみとなったときに約6割は焼却されるということです。

よってCO2排出量や回収率には大差がありませんが、水平リサイクル率が高いことからアルミ缶の方が環境に良いととらえ、ペットボトルを廃止している企業が増えているということです。

じゃあアルミ缶が環境に良い??

ではアルミ缶は環境に優しいのか?というとそういうわけではありません

can to canのリサイクル率は高いとはいえ約7割。足りない分のアルミは新しく採掘する必要があり、膨大な電力を消費しCO2やSOx、NOxを排出します。

結論としては、『アルミ缶はペットボトルと比べると環境に優しいが、環境に良いわけではない』ということになります。

では本当に環境に優しい飲み物の飲み方は??というのはまた別の記事でご紹介します。

 

 

コメント

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