環境問題が注目され始め、さまざまな言葉が飛び交うようになりました。
その中で「生物多様性」という言葉を聞くこともあるのではないでしょうか?
この記事では、
・生物多様性ってそもそも何?
・生物多様性がどうして重要なの?
・生物多様性が失われたらどうなる?
そんな疑問に答えていきます。
生物多様性とは?
一言で言うと、
生物多様性は、多くの種類、様々な個体の生物がお互いに繋がりあっていること。
生態系の多様性
「生態系の多様性」は、一番広い範囲で見た多様性のことです。
山や川、湖、海など様々な自然環境が存在していることを生態系の多様性と言います。
多くの自然環境があるからこそ、それに適用した多くの生物が暮らしていくことができます。
種の多様性
「種の多様性」とは、動物、昆虫、魚、微生物、植物といった様々な生物の多様性をいいます。
さらに動物と言っても、鳥や鹿。もっと言うと鳥の中でも、ハトやカラス。さらにその中にも多くの種類がありますよね。
それぞれの種が、環境に適応するため多くの種類の生物が生まれてきました。
遺伝子の多様性
「遺伝子の多様性」とは、同じ種類の生物でもそれぞれの個体によって違った遺伝子を持っていることを言います。
植物に例えると、遺伝子の多様性があることによって、環境の変化により一気に枯れてしまうと言うことを防ぐことができます。
もし全て同じ遺伝子であった場合、一つが枯れると言うことは全て枯れてしまうと言うことになってしまいます。
生物多様性の重要性
これまでに、名前がつけられた野生生物の数は、約175万種。
さらにまだ認知されていない種も含めると500万種〜3000万種にも及ぶと言われています。
しかし、現在物凄いスピードで絶滅し、多様性が失われつつあります。
私たちが生きていくために欠かせない生態系サービス
普段の生活でなかなか気付きにくいですが、実は私たち人類が今もこうして生きていくことができているのは、生物多様性があるからです。
生態系が私たちに与えてくれる利益のことを「生態系サービス」と言い、多くのサービスを提供してくれています。
例えば、野菜。
野菜が成長するためには、土壌の中の微生物の働きが欠かせません。そして、実をつけたり種を残すためには昆虫などによる受粉が必要不可欠です。きれいな水も必要です。
実際はもっと複雑で、野菜とひとことに言っても、書き切れないほど生態系サービスを受けています。
その中のどれが欠けても、野菜は食べられないのです。
スーパーの棚から食材が消えた?!
2021年3月にオーストラリアのシドニーにある大手スーパーマーケットでとある実験が行われました。
その実験とは、「ある条件を満たす商品を全て並べない」と言うものです。
そのある条件とは、、、
「受粉」です。
受粉が行われることによって、商品が出来上がるものを全て店内から消してしまいました。
その結果、数百点以上もの商品が並べられなくなりました。
これは私たちがどれほど生態系に依存しているかが可視化できる、とてもユニークな実験です。
私たちにできること
私たちの生活を見直してみることによって生態系を守っていくことが可能です。
例えば、野菜で言うとオーガニックの野菜を選ぶ。
農薬が生態系に与える影響は計り知れません。
しかし、オーガニック野菜の需要が高まると、今よりもっとオーガニック野菜の生産者が増えます。
他にも、環境に優しい認証マークがついた商品を選んでみたり、プラスチック製品ではなく自然素材のものを選んでみたり。
完璧にこなすことは難しいですが、無理のないように少しずつ地球に優しい選択をしていくことが大切です。
参考文献